2019年10月22日火曜日

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 400万円と80万円のトルコ絨毯 前編

待ちに待ったトルコ絨毯がやっと家に届きました。

先日のトルコ旅行はツアー料金も比較的安く素晴らしいものでしたが、トルコ旅行で気を付けなければならないこととして、文化も素晴らしいため思いのほか高額な美術工芸品などを買ってしまう可能性があるのです。
先日も巨匠Saim Kolhan(サイム・コルハン)氏のトルコ大皿を購入したという記事を書きましたが、今回はトルコ絨毯特集です。
とにかくトルコ絨毯は高いものを買ってしまいそうな嫌な予感しかありませんでしたが、まさか400万円のものを買ってしまうとは・・・・・滝汗)。
今回、値段をここに書くことはやや下品なのでかなり迷ったのですが、本当に良いものを良いものとして分かりやすくお伝えする一番簡単な方法がそのお値段を示すことと思い、ここで思い切って晒しております。もちろん、それはあくまでも定価であり、買値は相当安くはしてもらいましたよ。ただし、具体的にいくらで買ったのかは、お店にご迷惑をかけるので書けませんが。
そんなのトルコ人にボラレたんだろ、なんて思いますか?
いえ、これは買うべきだと思った理由があり、きちんとその高価な理由を理解して購入しています。その理由について、今回は特集いたします。

まず、上に掲載した絨毯は定価80万円の方の絨毯の写真です。今回はこの80万円の絨毯について。

お店はここ、カッパドキアにあるGOLD LOOM CARPET。きちんとしたかなり規模の大きなお店です。



こちらに到着すると、トルコ絨毯の素晴らしさについて説明するショーのようなものがあるのですが、それはもう割愛します。
かいつまんで言って、このショーとプレゼンで分かったのが、
・トルコ絨毯はダブルノットで織り込んでいくので使えば使うほど締まっていき、長い年月使用できるということ。
・良いじゅたんを織るのは1年以上一人の女性がつきっきりで仕上げるということ(人が変わると力の加減が変わるから途中でヨレるとの理由)。
・総シルク絨毯の想像を超えた美しさ
・トルコ絨毯で良いもの、と言えば、ヘレケの絨毯。宮廷用に絨毯を作っていた素晴らしい絨毯を作る地域の名前です。高くても良いトルコ絨毯を買いたい人は、ヘレケ、という単語を覚えておくこと
です。

このショーが終わるころには、「小さくても良いので、ヘレケの最高に品質の高いシルク絨毯を買うぞ!」と心には決めていました。

始めは店員から安い絨毯を色々勧められましたが、
「シルクの良いものを見せてくれ」
と言うといきなり下っ端の店員に代わって店長が出てきて、2階の特別な部屋に連れていかれました。もはや、ここへはツアーの人たちの誰もビビッてついてきません(笑)。僕は、小さいものならばちょっと高くても買おうと思っていたので別にビビりませんでしたけどね。

この部屋の中のヘレケで一番良いもの(で小さいサイズ)、というものを見せてもらうことにしました。そこで出てきたのがヘレケ地方屈指のCinar(チナール)社の絨毯です。このCinar社は、絨毯業界のアカデミー賞と言える「American's Magnificent Caepet Awards」を3度も受賞したことのあるブランド絨毯メーカーです。大きなものは高くて買えないので、玄関マットサイズを見せてもらいました。大きさよりも品質重視での購入を目指していました。
そこで気に入ったのが、Cinar社のブルーの美しい絨毯。
定価80万円とか言っていたのですが、値切りに値切って商談成立です。



たかが玄関マットサイズの定価が80万円? それ、日本人相手だと思って吹っ掛け過ぎだろ?と思うでしょうが、それには理由があります。

この絨毯の素晴らしさは、天蚕糸(てんさんし)という薄緑色に輝く「繊維のダイヤモンド」と呼ばれる最高級生糸をふんだんに使っているということ。天蚕糸は、桑の葉ではなくクヌギの葉を食べるヤママユ蛾の繭から作られます。だから実際には絹とは別物で、あくまでも天蚕糸。白い絹糸の70倍の値段にもなり、日本では安曇野の特産品であり、1gあたり1000円で売られています。この糸だけで作られた着物は、1着550万円とのこと。
この着物値段、吹っ掛けていると感じますか?
出典

他にも、山吹色、金色、白色(これは普通の絹)、という全4色のシルクを染色なしで使っています。
出典
ブルーや紫のように染色されている色はすべて天然材料で染め上げてあるので、糸の美しさをより引き出す輝きを持っているのも魅力です。

他にはもちろん、1㎡あたり100万ダブルノットで織られているとか、織るのに1年近くかかっているとかのすごいスペックもこのヘレケ絨毯にはありますが、この辺りは最高級絨毯のもはや聞きなれたスペックでしょう。
僕は、あくまでもその糸の品質に惹かれたのです。

この天蚕糸で織られた絨毯の素晴らしさは何か、というと、順目と逆目では絨毯の見え方が全く変わる、という感動があることです。

まず逆目側からの眺め。
やや暗い色合いに見えますが、美しく繊細な模様がくっきりと分かります。


次に順目側からの眺め。
模様が薄くなり、輝く表面に変わりました。これ、ハイライトをわざと強くしていませんよ。基本的に全ての写真は同条件で撮影しています。実際に目でもこんな風に見えます。
このように、順目からの眺めは高級品になればなるほど、模様が見えなくなるもののようです。なぜ見えなくなるかと言うのは、シルクが染められていないからであり、実際染められているブルーや紫は順目からでもはっきり見えます。

 このように、光を受けて輝く絨毯を実際に肉眼で見た感動というのは、少々高かろうが、「ここでしか買えない!」と思って買ってしまう魔力を持っています。まさに美術品です。

真横から見ても、輝きに濃淡があり、見る角度や時間、外の天気や照明などによって全く異なる表情や色合いを見せてくれます。

 下の写真は裏側をめくった写真ですが、手織り品を見分けるポイントとして、表裏が同じデザインである、ということはまず基本のようです。あとはこんな風に、くしゅっと折り曲げられること、です。
天蚕糸の糸が一番わかるのが、裏側の最外周が薄緑色になっています。これが天蚕糸を使っている証であり、この色が使われている模様を探すと簡単にどの場所が天蚕糸かと判明します。

他にも天然の糸として、黄色く見えるところ、白色などを探してみましょう。
染めているとはいえ、ブルーもきれいですね。紫色はヒヤシンスで染色しているとのことでした。

購入する商談が終わり、ガイドのムスタファさんと談笑していたのですが、彼が勧めるに
「そういえば、とんでもない絨毯がありますよ。トルコ絨毯の最高峰を目の保養に見てみますか?」
ということで、お店の人に頼んで一緒にその絨毯を広げて見せてもらいました。
おおおお!!
これはもう、本当に「あっと息を呑む」表現がぴったりの素晴らしいものだったのですが、それは次回、後編にて。

これら絨毯の撮影は、大三元標準レンズHD PENTAX-D FA 24-70mm F2.8 ED SDM WRを使っています。


トルコ旅行記まとめ
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