2019年1月8日火曜日

このレンズでしか写せない描写がある HD PENTAX-D FA★ 50mmF1.4 SDM AW レビュー

本当に良いレンズで写真を写すと、たくさんのサムネイル画像の中から、
「おお! これは、あのレンズで写したものだ!」
と明らかに浮かび上がってくる写真があります。
このレンズ、間違いなくそう言ったレンズの筆頭であるといえます。

この、F1.4という化け物のような明るさを持ったレンズですが、まずはF=8程度に絞った山岳写真からの掲載から始まります。あえて絞ってこそ、このレンズの迫力が伝わるものとして捉えました。



これまで考えられないほどの色彩、精細さ、コントラストです。圧倒的な実力。これが本当にすごいレンズなのね。


では、そのF1.4という開放値にて風景写真を写すとどうなるでしょう。
それが下の写真。ピントが合っている建物以外は遠距離にあってもアウトフォーカスしていき、3D画像を見ているような立体感になります。
まあ、通常風景をこういった感じでは写さないかもしれませんが、写真の幅が広がるってのは何物にも代えられません。

・ポートレートの皇帝
薄々、というか、確信的に信じていましたが、このレンズはかなりレベルの高いポートレートレンズと言えるでしょう。

 これまで、smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limitedをポートレートの神レンズと崇め奉ってきましたが、その気持ちは別に変ったわけではありません。
どちらのレンズをポートレート用としてお勧めするかと言えば、やはりsmc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limitedの方です。何故なら、素晴らしい写りを実に簡単に手に入れることができるからです。
では、このHD PENTAX-D FA★ 50mmF1.4 SDM AWはどうか、というと、それに比べるとちょっと扱いが難しいです。50㎜という標準の画角といい、あまりに浅い焦点深度といい、パッと撮って、パッと結果を出せるものではないな、と今回のポートレートを撮りながら実感しました。でも、それがバシッとハマった時には心震えるものがあるものと信じています。

このレンズでポートレートを写すときに試してもらいたいのが、下のように少し離れた場所から開放で撮ること。
これだけ遠距離で、モデル以外は美しいアウトフォーカスなんて、そこらへんのレンズにマネできるもんじゃないですよ。F値1.4がなせる技です。

とにかく、極端に薄い焦点深度を使いこなせれば、それはもうファッション誌のモデルのような仕上がりになるポートレート用皇帝レンズである(と、僕は勝手に名付けます)。あなたが彼女をきれいに写したくて、お金に少しだけ余裕のある人は、明日買うべし、いや、今すぐ買うべし、なレンズ。

・夜景
単焦点なので、風景写真で画角を変えられないのはどうにもこうにもやむを得ない難しさではありますが、このレンズで夜景を写すと
「すげえな・・・」
という迫力のある写真になります。もうですね、超・無駄にきれい。

下の写真も手持ちでパッと撮った中華街の門ですが、これも無駄にきれい過ぎるとしか言いようがありません。というか、思った以上に鮮やかに写るんですよね。

・スナップ
ある意味、スナップ写真こそ、このレンズの裏の神髄かもしれません。
ちょっと一つ覚え的だけど、そのF1.4という開放値を存分に使って立体感のある写真を撮りまくってください。これまでの手持ちのレンズとは全く違う世界がそこに現出します。

なんでしょうね、このふわっとした立体感と空気感。横浜港の夕暮れの匂いを感じられるようです。
これぞPENTAXの最も得意とする絵面。これだからこそ、僕はPENTAXを押しまくってます。


・総評
高級感あふれる新基準のスターレンズ。これほど所有欲を満たしてくれるレンズはあまりないでしょう。毎晩取り出して、撫でまわしてやって下さい。
下の写真のレンズの反射から、どれほど高価なコーティングがされているのかが分かると思います。

F 1.4という明るいレンズでこれだけの品質の割に、12万円台。この安さもペンタックスの魅力ですね(CやNだったら一体いくry)。一見高いように見えて、実は結構安い超絶単焦点レンズだと思っています。
短所はもちろんその大きさと重さ。でも、これってそれを承知で買う人しかいないわけで、短所になるのかな?ともあれ、これを承知で買ってください。

FA Limited三姉妹とこのレンズ、ペンタキシャンならば持っておくべきレンズなのでしょう。これらを持っていないと、ペンタキシャンとしてはもったいないなあ、というレベル。




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