2017年10月2日月曜日

僕のもう一つの趣味 料理と白紙1号水本焼きの柳葉包丁

僕は6年間ほど仙台へ単身赴任していた時期があって、その間凝りに凝りまくった趣味が料理でした。
自分が食べるためだけに作るんじゃなく、あのお気に入りのイタリアン(や料亭)ってどうやってあの料理を作ってるんだろう、という疑問を解消し、自分の手で作るために日々研究していた時期がありました。
そのお陰で、イタリアン、フレンチ、タイ料理、中華、日本料理、おばあちゃんの味までありとあらゆる料理をそれなりのレベルまで作れるようになったのでした。凝り性なんですよね。
その中で、もう一つ凝りまくったのが包丁で、調べに調べた末に世界でも最高レベルの包丁を手に入れました。
それがこれ、子の日(ねのひ)が出している池田美和(よしかず)作、白紙1号 水本焼きです。十数万円という包丁でしたが、趣味の世界で世界最高峰の物が十万円台って安いですよね?刃物フェチの僕、本当は日本刀が欲しかったんですが、それで何かを切って回るわけにはいかないので、包丁ならば実用的にも〇です。
白紙1号というのは、特殊な最高レベルの鋼材質のことで、純度がこれ以上ないほど高く、硬度も切れ味も最高レベルです。
(って、昔のブログをリンク先にしたりしてますw)


また、通常売られている鋼の包丁というのは鋼鉄と軟鉄を合わして作られているので、その境目が刃紋のように見えますが、それは霞(かすみ)と言われる別物。本焼きというのは1本の鋼鉄だけを昔の日本刀のように焼き入れするので、下の写真のように本物の刃紋が浮き上がるのです。本当に美しいものになります。
(ちなみに下の黄色い布は、カンボジアの手織りの絹です)
また、水で焼き戻すことで、カッチンカッチンの固い鋼になるのですが、白紙1号のように超絶な鋼鉄を焼き戻しする際水に漬けこむと、その温度差で通常はボッキリ折れてしまいます。だから本焼きと言えども普通は油に入れて冷ますことをしています。
水で急冷して折れないようにするためには高度な技術が必要で、池田美和氏のような名人(伝統工芸士 会長)でなければこういう包丁は作れないのです。日本でこれができるのは数人と聞いています。50年後にはこんな包丁を作れる人はいなくなっているような気がするので、お宝となるはずです。
(水と油のどちらかは、刃紋の美しさを観れば分かります)

下の写真は、刃面を12000番の砥石で鏡面研ぎしたものですが、光の反射の関係上かなり白くなってしまってます。この表側からも刃紋が波打ってるんですが、分かりますかねえ?しのぎのところです。

こんな本当に切れる柳葉で刺身を切ると、断面が鏡のようになります。そして、エッジはカチッと切り立っているのが分かると思います。これらは全て刺身の味の違いとして反映されます。
この鯛はこぶ締めしているので、ねっとりとした雰囲気が写真でも窺えます。

ちなみに今回捌いた鯛はこの子でした。僕たちのためにありがとうね。ごちそうさま。
下の写真だけはスマホで撮ったものです。手が魚を扱ってたのでK-1を使いたくなかったのですが、やはりスマホではそれなりな写真です。





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