超絶使いやすい標準神単焦点 smc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited レビュー

ペンタックスには、
「このレンズがあるからペンタックスを選ぶ」
という神レンズ3姉妹ってのがあります。それが単焦点のFA Limitedシリーズです。
僕はこれまでK-1用に
smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited
smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited
という広角、中望遠単焦点を買ってそれぞれに感嘆したレビューをしてきたわけです。その標準焦点距離にこの43ｍｍがあるのですが、標準領域ではこの43ｍｍではなく、HD PENTAX-D FA★ 50mmF1.4 SDM AWを買ってしまった、というのは以前お伝えした通りです。
その★50ｍｍはもちろん素晴らしいのですが、それに比べて43ｍｍは見劣りがするだろうと思って買わなかったのです。それあなた、トンデモナイ間違いでした。

最近ペンタックスにはまりまくっている友人にこのレンズを借りる機会があり、半日ほど横浜の情景を撮りまくってみました。
その結果、正直、これほど素晴らしいレンズだったとは！という感嘆しかなかったです。

どうやら、K-1に（大三元標準ズームであるHD PENTAX-D FA 24-70mm F2.8 ED SDM WR以外の）安くてこだわり抜いたレンズを1本だけ買うとすれば、このレンズだろう、という結論になりそうです。

この４３ｍｍを借りる前にはしばらく５０ｍｍを使っていたので、初めてこのレンズを装着してファインダーを覗いた時には
「おお、思ったよりも広角！」
ってやや戸惑ったんだけど、数値を比較すれば当たり前ですね。
でもその、ほんの少しだけ広角な感じがとてつもなく使いやすい。正直なところ、５０ｍｍって方がやや望遠がきつい標準だな、と不思議な感動をもってこのレンズを使いました。５０ｍｍってちょっと緊張感を要する画角です。
この４３ｍｍという画角は、例えば氷川丸が撮りたい大きさでドンピシャハマります。

標準レンズの鏡、のような画角です。こういう絵面で撮れるものなんですね。

本来ならば時間を持て余してるモデルの女性でも呼び出してポートレート撮影をしたかったのですが、あいにくと、でした。結局友人と撮り歩くオッサン二人の横浜となってしまっております。このままではポートレート撮例が無い。いっそのことこの連れのオッサンでも写してポートレート撮例とするか、とまで思いいたりましたが、危うく思いとどまりました。
ポートレートの代わりに撮ったのがこの銅像。なにやら意味深な3人ですが、どういういわれの銅像なのか、説明書きを読み忘れました。ただし、きちんと意味深な感じに撮れるレンズです・・・ね？

F値は1.9と、他の単焦点の1.4や1.8などと比べると数値的にやや見劣りがするような気もしましたが、そんなことないです。というか、このぐらいがちょうど良いんだよな、という説得力を感じました。実際F1.4っていうレンズを持ってみると、大きさを含めやや過剰さを感じなくもない、かな。
で、F1.9のボケ具合って、こんな感じでちょうど良さがあるんですよ。

こうね、ふわっと奥行き感があって。

この中の花のどの一輪の花？みたいな厳密なピント合わせじゃないんだけど、被写体の部分はざくっとピントが取れて、あとは奥行きのあるFA Limited特有のボケ味。

もちろん、一輪の花を浮き立たせることも自由自在。

とにかく、いちいち極端じゃない自然さ。これがこのレンズの一番好ましいところ。でも被写体の存在感はしっかり出します。

絞ると、奥行きのある独特の世界観を醸し出します。

最後に。
これってFA Limited三姉妹の中で最も小っちゃくて見栄えがそれほどでもないレンズだ、なんて実物を見る前、写真で見る限りは思っていました。
実際にK-1に取り付けてみると意外に大きいし存在感あります。ああ、こんなに格好良いんだ、と。特に、シルバーってのもいかにもFA Limitedを付けてるんだぜ、みたいな分かる人にはわかる存在感をアピールできますよね。

K-1を買ってどれかひとつ単焦点レンズを買いたいな、と思う人がいたら、自信を持ってこれでしょう！と勧められるレンズだと思いました。FA Limitedレンズの中では断トツに安いのも魅力です。
APS-C機の方にも絶賛お勧め中です。