僕の車も20年近くにになってきてそろそろ買い替えか、というのは表向きの理由で、とある調査もあったので電気自動車(EV)のTESLA モデル3に試乗してきた。K-1に取り付けたレンズはHD PENTAX-D FA 24-70mm F2.8 ED SDM WR。
結論から言うと、想像以上のTESLA にはガツンとやられた。正直な感想として、今後何百万円も出して時代遅れのレシプロエンジンの車を買う人がいるんだろうか?というものになってしまった。15年前にほぼ全員がスマホを持つようになると誰が予想しただろうか?今、EVにおいて、本当の普及段階が始まったのだと実感した。
今日は、そんなお話。
神奈川ではTESLAのディーラーはラゾーナ川崎にある。横浜にいるとあまり川崎に行くことは無いけれど、この商業施設はとても良いところだった。
これがTESLAのディーラー。こじんまりしてるし、たった一つの車種しか売っていない。いわゆるセールスマンはいなくて、適当に試乗して買いたいと思ったらネットからポチっとして注文してくださいね、ってなスタンス。パンフレットもない。情報はネットで観てくださいってなもんだ。合理的。
ちなみに僕が今乗っている車はBMW530iという子で、かれこれ20年近く一緒に連れ添ってくれている。この車は、ご存知のBMWが誇る直列6気筒エンジンを3Lで積んでおり、とにかくウルトラスムーズでパワフル。官能的でしっかりとした走りは20年経った今でも乗るたびに感動する車だ。本当にこの子を買って良かったと思っている。そんな車に乗っている僕としては、EVなど本当は認めたくないのだ、ということは理解して頂けると思う。
試乗は予約制で、時間になるとカードを渡され、運転の仕方を5分ほど教えてもらって、あとは適当に運転してきてください(自己責任で)、という放牧場。
まず運転席に座って驚くのが、タブレット以外メーターなど何もないのだ。何も。
しかし、このタブレットの情報の管理が分かりやすい。ちょっといじると色々なことができるようになる。EVのあるべき姿を当たり前のように提示してくれている。ユーザビリティのセンスが抜群だ。こんなこと、悪いけどトヨ〇や日〇ではとてもできませんわ。危機感持った方が良いですよ。
また後部座席も十分広い。シートの出来は日本車程度じゃないけど、ドイツ車(5時間運転しても疲れない品質)ほど素晴らしくもないという感じ。まあまあか。ただし、長時間運転したわけじゃないので、論評は無しで。
以下、レビューは箇条書きにて。
1)加速
これはもう普通のスポーツカー程度では全く太刀打ちできない加速だ。
モデル3には3つのグレードがあり、0-100kmの到達時間はそれぞれ
パフォーマンス 3.4秒(ランボルギーニ・ガヤルドLP570-4と同等)
ロングレンジ 4.6秒
ベーシック 5.6秒(航続距離は409km)
であり、ポルシェ718ケイマン 5.1秒と比べてどれ程の加速であるかが分かるであろう。今回乗ったのはベーシック。
ちなみに、僕のBMW530iは7.0秒だ。いやw、これでも結構速いのよ。これらと比べると遅く見えるけど・・・
とにかくTESLAは、信号スタートで法定速度までフル加速すると、同乗者が
「怖い怖い!!! ひー!!」
と叫ぶほどだ。
2)ブレーキ
アクセルを離すと比較的強い回生ブレーキが利くため、ほぼブレーキを踏む必要はない。ブレーキを踏むのは緊急の場合だけ、という感じ。
止まると自動的にパーキングブレーキがかかった状態になるため、本当にブレーキは必要なかった。
3)旋回性
ボンネットは空っぽで、最も重いものは電池であり、シートの下に敷き詰められている。そして、動力のモーターは駆動輪の内側にあるだけ。だから重心が非常に低くて、素晴らしい旋回性を見せてくれた。レーシングカーみたい。
4)トランスミッションがない
レシプロエンジンは低回転ではトルクが低いという特性のためトランスミッションで変速していかなければならないが、EVのモーターは0kmから最大トルクを発生し、14000回転まで回るため、EVにはミッションと言うものが必要ない。
これは、試乗してみてそのメリットを実感した。例えば40km/hぐらいで巡行していてフルアクセルすると、踏んだ瞬間に最大加速状態になる。
高パワーエンジンの車をお持ちの諸兄ならば、2速5000rpm状態でずっと走っている俊敏さが常に出せると思えば遠くない。
帰り道、自分の車でキックダウンしてフル加速してみると、あれほど俊敏と思っていた自分の車が、キックダウンの大きなタイムラグのせいでドンくさく感じたほどだ。
てか、ミッションなんてダサ・・・・という意識へと根底から覆ってしまう。今まで当たり前に車に付いていたミッションとか、マジいらんわ。いや、いるんだけど。
この項目が一番の衝撃だったかな・・・・・
5)高燃費
ガソリン燃費に換算すると、100km/lぐらいの感覚らしい。
6)高信頼性
電池は、8年間は無償交換してくれるらしい。それだけ寿命には自信があり、かなり長く使えるとのこと。
デメリット
1)長距離ドライブ
これは不安である。まだステーションがあまりなく、充電はかなり速いとはいえ数十分かかる。
2)現状、1つのモデルのみ
直輸入の高額なものを除けば、ディーラーで売られているのはモデル3だけ。これが今後売れたら、カローラよりも当たり前の車になるだろう。今は斬新なデザインだけど、いつかうんざりするか?
3)マンション住民は、家では充電できない
ま、僕のことなんですけどね、家で充電できないですわ。法改正を待ちましょう(法改正の話は面倒なのでry)。
4)良くも悪くも家電製品
すべからくハイテク製品というのは、今はすごいと思っても経年による陳腐化がひどい。今のこの車は、初期のi-phoneみたいなものか?
「出た当初は、ものすげえ、と思ったけどなあ・・・・・」
と数年後に思われているかも。
何年も乗り回したレシプロエンジン車に対する愛着のようなものを感じるのかどうかにはあまり自信が持てない。
以上、TESLA 試乗記は終わり。
これから車を買おうと思っている人は、レシプロエンジンという前時代のシステムの車(前時代と認識していない人がまだほとんどだと思うけど)を買う前に、TESLA を試乗してみてからレシプロエンジン車を買うかどうかを判断することをお勧めする。実際に乗り比べて、それでもレシプロエンジン車が良いならばそちらを選ぶのが賢明かと。
(乗り比べられて、レシプロエンジン車が勝てるのか?という興味はあるw)
とにかく、今後、車社会はあっという間に変わっていくのだろう、と実感した。それも5年以内のこと。車関係の仕事に携わる方々。その激震に備えましょう。これ、本気で警告しますよ。
ちなみに僕は、前時代の今の愛車を動く限り(今後10-20年は)乗り続ける所存。とにかくできるだけ長く、今の車を愛でて暮らします。愛着がハンパないので(これがレシプロエンジン車がEVに勝てる最大のポイントかもw)。
でも、その後は・・・・・EVになるだろうなあ、と。(てか、その頃にはEVしか売っていないか)
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