2018年10月2日火曜日

スイス旅行記(11章) 地球温暖化に愕然 モンタンヴェール展望台と氷河洞窟

シャモニーから出発するロープウエー故障で3800mの展望台には登れなかったものの、その代替えとしてモンタンヴェール展望台(1913m)が選ばれました。こちらには氷河があり、その中をくり抜いた洞窟に入ることができるというので否が応でも期待は高まります。単に標高が高いだけの展望台よりも良いかもしれません(負け惜しみ)。
展望台の駅へ到着すると、早速素晴らしい景色が広がっていますね。期待が高まりまくっている氷河へは、左に見える急角度のロープウエーで下りていきます。

早速展望台に立ってみるとこんな感じです。HD PENTAX-D FA 15-30mm F2.8 ED SDM WRレンズでの雄大な景色です。
まずは、左に見える超格好良い山 ドリュに注目してみましょう。

このドリュ(3754m)という山。マッターホルンを除けばトップクラスに格好良い山です。まるで、ロード・オブ・ザ・リングの冥王サウロンが住む山、とも言えそうな迫力があります。あまり有名じゃないのがかわいそうなぐらい。
こういう素晴らしい山をクローズアップするのに、今回の旅行ではsmc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limitedばかりを使っています。レンズの性能はもちろん、画角もこれで充分だな、という望遠です。絞れば迫力を表現できるレンズです。それでいてコンパクトで軽いのだから、実に重宝します。必ずこのレンズだけは持って出かけましょう。




ヨーロッパアルプス三大北壁、というものがありまして、これら一つでも制覇するというのは本当の意味で命がけなものです。それら北壁は、マッターホルン、アイガー(これは後日詳細に紹介予定)、そしてこのグランドジョラス(4208m)にあります。下の写真中央奥にそびえ立つ黒い壁がグランドジョラス北壁です。
本ツアーの名称は「4大名峰を巡る」になっていますが、まさか3大北壁まで拝めることになるとは思いませんでした。
運が良すぎでしたね、スミマセン。

エギュイ・デュ・グレポン(3482m)。
これもとんがった特徴的な山です。ここでは狙って影を強くしてみました。

さて、次に氷河に注目ですが・・・・
なんか、ほとんど無い・・・・

上で紹介したロープウエーに乗って下まで降りた場所がここなのですが・・・・

いやいやいや~
これが氷河ですか?
実はロープウエーを設置した当時はこの辺りから氷河洞窟内へ入れたらしいのですが、数十年のうちにこんなにも氷河の位置が下がってしまったようです。

掲示板の情報では、1995年当時から、135m(!)ほど溶けてしまい、氷河洞窟に入りたければ毎年下へ増設され続けているタラップを下りなければなりません。今やその段数は500段弱にもなっています。
添乗員さんからは、「自己責任で下りて、時間通りに戻ってきてくださいね💛」と釘を刺されました。って言われてもなあ・・・・・

タラップを降りていくと、岩壁に年代を記したプレートがあります。ここでは2001年となっています。これは、2001年にはここに氷河洞窟への入り口があったという印です。分かります?今や氷河ははるか下ですね。
実は、最近たびたび登場するペンタックスにハマりまくっている友人N島がケンブリッジの客員教授だったころ(エロ魔王とか言われているが、かなり優秀ではある)、2002年にここに来たんだって。その時のほぼ同じ場所の貴重な写真を彼からもらった。
それが、これです。
遠くの山の稜線が同じなので、同じ場所だって分かってもらえますよね?驚きました?驚きますよね。これがたったの16年前です。
N島、見てる?おぬしの来たあの場所は、今こんなことになってるぞ~!
いや、ヤバいでしょ~。

下の写真が2005年の洞窟入り口の場所。この辺りはまだ2001年とそれほど標高差は無く、まだ氷河ははるか下。

下の写真が2010年。

下の写真がたったの3年前! 2015年の場所です。
HD PENTAX-D FA 15-30mm F2.8 ED SDM WRという超広角レンズを使っているので氷河までの高低差感が分かりにくいと思いますが、まだまだかなり下まで距離があります。特に最近進み過ぎなんじゃないか、と本気で焦ります。そういえば、日本の夏の気温が38℃とか普通になってますね。昔は32℃とかだったじゃないですか?台風もちょっとひどいしね。

やっと洞窟入り口に到着。下の写真のようなタラップを延々と降りてきたわけです。
2015年のプレートのあった場所は、写真に見えるタラップのさらに10mぐらい上の場所でした。たったの3年ですよ?ヤバいね、こりゃどうも。

地球環境問題についてはこれぐらいにして。
さて、ここが氷河洞窟の入り口。
氷河って、本当に青い断面をしてるのね。期待が高まる。

入ると、いきなりこんな感じ。おおお・・・・

いやもう、素晴らしいですよ。ここまで降りて来た甲斐は間違いなくありました。

氷河は毎年積もる雪の層になっています。それが幻想的な美しさになっているのですね。

さて、美しかったのは良いのですが、もちろんこれからあの階段を登る作業が待っています。
これを見た方で、将来、何人かここへ行かれる方がいらっしゃるかもですね。それが例えば5年後であれば、更に更にずーっと下まで氷河は溶けて下がっているはずです。
僕がここへ来たのは2018年。
あなたが訪れた時に、僕が訪れた年代の場所から、氷河洞窟入り口がどれだけ下がった場所になってしまったかを実感してもらえればとてもうれしいです。


今回の僕のスイス旅行記全体を読んでみたい方はこちらへどうぞ


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