2016年1月3日日曜日

HD PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8 ED WR 絞りと解像度の考察

レンズの絞りとその解像度を比較検討 第三弾です。
初めてここに辿り着いた人用に、smc PENTAX-DA 50mm F1.8でのテストと同じ文面を使いまわしたりしますので、ご容赦を。

なお、この記事は300㎜の望遠端と、55㎜の広角端の画像についてレビューしてますので、ちょっと長い記事になってます。


一般に、レンズの絞りを最大に開ければ(F値を最小値にすれば)、柔らかくて背景がぼける雰囲気ある写真になるけど、鮮鋭度が落ちます。
F値は4-8ぐらいが最もくっきりとした写真が撮れます。
そして、手前から奥までピントを合わせる(パンフォーカス)ためにF値をあまり上げ過ぎると、「回折ボケ」といわれる不鮮明さが表れます。

ということで、各レンズではどれほどこの傾向があるのか、ということを実際の撮例で検証してみましょう。
三脚を使って、AvモードでF値を変更しあとはオートです。

まずは 「望遠端 300㎜」という超望遠領域を見てみましょう。
絞り開放F値5.8から最大値32までの全体画像を比較してみます。クリックをすると画像は大きくなりますが、サイトの関係上原画像にはなりません。
この全体像をみると、開放では画質が柔らかな感じになっています。しかし、こうやってきちんと比較をしてみると、これほどの超望遠レンズの割にはそれほど甘くなっている感じは顕著に見受けられないですね。僕はこうしてきちんと比較するまではもう少し望遠開放では甘い画質、というイメージがあったのですが、結構悪くない、という感想に変わりました。


300mm f 5.8



300mm f 8

300mm f 16

300mm f 22

300mm f 32


次に、一部を100%に拡大した画像で比較してみましょう。

100%に拡大・展開した画像の一部で比較したのが以下の写真です。
B6と書かれたところや窓枠、手すりや外壁の質感などの鮮明度に注目してチェックしてみてください。

絞り開放では画面に若干白くもやがかかったように感じる画質ですが、文字の鮮鋭度もそれほど落ちている訳ではありません。細かな線もそれなりにはっきり写っており、これほどの超望遠の開放でもかなり使えるレベルであることが分かります。焦点深度を思いっきり浅くしたい意図を持った撮影でも、恐れず開放にして良いんだ、という認識に変わりました。特にポトレには相当威力を発揮しそうですね(300㎜では相当遠距離から写さなきゃいけないし、焦点深度も浅すぎるかもしれないけど(笑) ・・・あと、手振れだな~・・・)。
少し絞れば(F値 8)、これほど遠距離にも関わらず、非常に鮮明な画像が得られます。B6の横に書いてある小さな文字 RAFT stationという文字すらも見えます。怖いですね~・・・・
この写している場所がどれぐらい離れているかというと、
smc PENTAX-DA 50mm F1.8
でのこの飛鳥が、目視での大きさにほぼ近いと思います。
恐るべし、300mm。これほどの性能を持つ超望遠レンズがこのお値段ですからね。とにかくお買い得感満点なわけです。

回折ボケですが、F22まで絞ってもB6の文字ははっきり読み取れますし、それほどの画質劣化を起こしていないことも分かりました。
さすがにF32まで絞ると回折ボケが強くなりますが、それでもここまで拡大しないと分からないレベルだ、ということが分かります。どちらかというと、精細さの劣化というよりも、壁面などの質感の劣化の方が大きいようですね。

ということで、このレンズでパンフォーカスを目指す意図があるならば、F32まで思い切って絞りきる、というのは積極的にやっても良いテクニックであると言えるでしょう。
特に、F32ですからね、ここまで絞って使えるとなると、工夫次第ではちょっと人とは違う写真も撮れたりしそうです。
何か、ひらめきました?(笑)

300mm f 5.8


300mm f 8

300mm f 16

300mm f 22

300mm f 32


(300㎜の総評)
とにかく300㎜は超望遠レンズとして相当使える実力があるな、ということが、僕にとってもすごい発見でした。
このレンズの写りが 「甘い」 という評価になるならば、もしかするとそれは「手振れ」による不鮮明さなのかもしれません。300㎜を手持ち撮影すると、ファインダーの映像がグラグラしますからね。(笑)
少なくとも、僕がこのレンズに感じていた甘さは、手振れだったのでしょう。

ちょっとこのことは自戒を込めて、ここに書いておきたいと思います。
「レンズのレビューは手振れの影響を排除して!」

とにかく、ここまで性能が高いということが分かると、★レンズとの直接対決、なんてのもやってみたくなりますが、こういうのは精細度だけではなく、なんというか・・・味みたいなものもその評価に乗ってくるので難しいですね。
というか、それ以前に★は全く持ってませんので・・・・・悪しからず。

300㎜でここまでビシッ!!と写るレンズ。
望遠レンズを探している人は、やはりこれを候補に入れた上で検討しなければならないでしょう。

HD PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8 ED WR






(55㎜ 広角端での絞りと解像度の考察)

先程は300㎜という超望遠端の分析をしましたが、ここでは55㎜ 広角端の絞り分析です。
しかし、やってみると絞りによる解像度の違いはほとんど無い、という結果になりました。あまりにもその差異が小さいし、もう書くのに疲れてきたので(笑)レビューは書きません。

各自ご覧になって、
「ほほう、広角端では、絞りによる画質の低下は気にしなくても良いんだな。」
ということを実感して頂ければ良いのかと思います。

それよりも、この55㎜の撮例は、ほぼ同じ焦点距離な単焦点であるsmc PENTAX-DA 50mm F1.8 での絞りテストと比較するのが興味深いのです。
開放ではsmc PENTAX-DA 50mm F1.8の方がもやがかかったような不鮮明さが顕著です。F値が違いすぎるので、同じ開放、という言葉で一緒くたにして良いのかわかりませんが、僕はこのsmc PENTAX-DA 50mm F1.8の開放での柔らかさがポートレートレンズとしての素晴らしさに繋がっているのだと、良い方に解釈してます。というか、この開放での画質は良い悪い、というよりも、このレンズの特徴(味)だ、ということなのでしょう。
開放ではもやがかかったような画質だったsmc PENTAX-DA 50mm F1.8だけど、F値4からはすごい解像度を見せています。これはもう、さすがのHD PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8 ED WR で写した55㎜での撮例もかなわないですね。かなわないんだけど、それにしても相当良い線まで行っている、とも言えます、このHD PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8 ED WRは。
こういう比較撮影は本当に色々なことが分かって面白いです。



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ちなみに、ランキングでの題名は、「どうして、ペンタのレンズは凄い写真が撮れるのか?」です。
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55mm f 4

55mm f 8


55mm f 16

55mm f 22



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